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六二  イエズスはユダヤ人にとらえられた



 イエズスさまがゲッセマニの園を出られると、大祭司からさし向けられた兵士や下役人の一団に出会いました。かれらは手に手に刀や棒を持ち、たいまつをかざし、イスカリオテのユダがその先頭に立っていました。

 ユダは前もって、「私の接吻する人がイエズスだ」と打ち合わせていました。イエズスさまを見たユダは、すぐにやってきて、「先生、今晩は」と言いながら接吻しました。

 イエズスさまは兵士たちに向かって、「あなたがたはだれを探しているのか?」と聞かれると、みな口々に、「ナザレトのイエズスだ」と答えました。そこでイエズスさまが、「私がそれだ」とおっしゃると、みな、その威光に打たれて、よろめき倒れました。イエズスさまはまた、同じように、「あなたがたはだれを探しているのか?」と聞かれました。兵士たちはふたたび「ナザレトのイエズスだ」と答えました。イエズスさまは、「私がそれだ。あなたがたは私を探しているのなら、弟子たちに手をかけてはならない」とおっしゃいました。

 そこで兵士たちはイエズスさまをとらえ、縄でしばって荒々しく引き立てて行きました。これを見ていた弟子たちは、みな、こわいので逃げて行ってしまいました。そしてただペトロだけが、遠くのほうから見えがくれに、後をつけて行きました。このようにイエズスさまは、ご自分から進んでご苦難をお受けになったのでした。

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